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研究書(文学系) 詳細
土左日記虚構論
初期散文文学の生成と国風文化
書名かな | とさにっききょこうろん しょきさんぶんぶんがくのせいせいとこくふうぶんか |
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著者(編者)名 | 東原伸明 著 |
著者(編者)名かな | ひがしはらのぶあき |
ISBNコード | 978-4-8386-0458-6 |
本体価格 | 2,800円 |
税込価格 | 3,080円 |
判型 | 四六判上製カバー装 |
頁数 | 304頁 |
刊行日 | 2015年6月17日 |
在庫 | 残部僅少 |
男もすなる「日記」といふものを、
〈女もしてみむ〉とてするなり。
〈女もしてみむ〉とてするなり。
という一文によって始発している『土左日記』。
虚構の枠組みの中で、語り手自身は自己を女性の立場で語ることを宣言している。
『土左日記』の書き手が、あえて自己を〈女〉に性の転換をしてみせることで何を目指していたのか、その虚構の方法についてさまざまな角度から照射する。
はじめに
――虚構の「土左」からの旅立ちと叙述の方法
第1章 『土左日記』の文化ジェンダー論
――喩としての男性性の脱構築――
1 喩としての男性性と女性性
――『土佐日記』のジェンダー分析
2 「世界文学」的な視野と先行文化の脱構築
――周辺科学からの一撃
第5章 「童」の性は男か女か?初期散文叙述の特性検証
――『土左日記』から『源氏物語』叙述への補助線――
1 『土佐日記』の注釈を通した初期散文叙述の特性検証
2 『土佐日記』の不審な叙述
――「童」と「女童」同一人物説の疑義
3 この叙述を読んだ時点で「童」の特性を問えるか
――「童」は「童」で「女童」ではない
4 「亡児」と「望京」の主題の同調
――「童」の性を「女」にする「読みの循環」
5 呼称「ある人」の匿名性と「ある人の子の童」=「貫之の子の童」説
第6章 「波の底なるひさかたの空」貫之的鏡像宇宙と水平他界観
――虚構の「土左」からの旅立ちと叙述の方法
第1章 『土左日記』の文化ジェンダー論
――喩としての男性性の脱構築――
1 喩としての男性性と女性性
――『土佐日記』のジェンダー分析
2 「世界文学」的な視野と先行文化の脱構築
――周辺科学からの一撃
3 東アジアの漢字文化圏と文化的な自立
――仮名と漢字訓読による「国風文化」の誕生
4 「国風文化」の内実
――「和」の文化の内なる「漢」
――仮名と漢字訓読による「国風文化」の誕生
4 「国風文化」の内実
――「和」の文化の内なる「漢」
5 男性性(=先行文化・権威)の脱構築
――『土佐日記』の方法
第2章 価値逆転の論理・『土左日記』の虚構の方法
――権威の脱構築と虚構の史実化――
――『土佐日記』の方法
第2章 価値逆転の論理・『土左日記』の虚構の方法
――権威の脱構築と虚構の史実化――
1 「も……」の論理とパロディの方法
――『土佐日記』の本質――
――『土佐日記』の本質――
2 和歌と和文の生成
――漢詩文を脱構築すること――
3 「今宵、月は海にぞ入る」実景(史実)/テクスト(虚構)価値の逆転
4 「土佐鶴」は無かった
――虚構の風景の生成――
――虚構の風景の生成――
5 虚構の史実化
――もしくは『土佐日記』を読むことの意味
第3章 権威の脱構築化と「諧謔」の生成=パロディとしての『土左日記』
――プレテクスト『古今和歌集』・『伊勢物語』の引用連関――
1 権威の脱構築化
――アレンジャーとしての紀貫之
2 「亡き子」の主題の生成
――典拠という引用の方法
――もしくは『土佐日記』を読むことの意味
第3章 権威の脱構築化と「諧謔」の生成=パロディとしての『土左日記』
――プレテクスト『古今和歌集』・『伊勢物語』の引用連関――
1 権威の脱構築化
――アレンジャーとしての紀貫之
2 「亡き子」の主題の生成
――典拠という引用の方法
3 プレテクスト『古今和歌集』「羇旅」の部立の位相
4 プレテクスト『伊勢物語』の位相
第4章 「女もしてみむとてするなり」『土左日記』の虚構の方法
――男性性の脱構築・再稿、あるいは象徴的な〈女〉への共感の論理――
――男性性の脱構築・再稿、あるいは象徴的な〈女〉への共感の論理――
1 冒頭文の射程もしくは象徴的な〈女〉という解釈の提案
2 象徴的な〈男〉/〈女〉関係の抽出
3 脱構築=象徴的〈女〉が〈男〉を超えようとする意識
3 脱構築=象徴的〈女〉が〈男〉を超えようとする意識
4 「も……」の論理による脱構築
――『古今和歌集』「仮名序」の論理から『土佐日記』の方法へ
むすびにかえて
――『古今和歌集』「仮名序」の論理から『土佐日記』の方法へ
むすびにかえて
第5章 「童」の性は男か女か?初期散文叙述の特性検証
――『土左日記』から『源氏物語』叙述への補助線――
1 『土佐日記』の注釈を通した初期散文叙述の特性検証
2 『土佐日記』の不審な叙述
――「童」と「女童」同一人物説の疑義
3 この叙述を読んだ時点で「童」の特性を問えるか
――「童」は「童」で「女童」ではない
4 「亡児」と「望京」の主題の同調
――「童」の性を「女」にする「読みの循環」
5 呼称「ある人」の匿名性と「ある人の子の童」=「貫之の子の童」説
第6章 「波の底なるひさかたの空」貫之的鏡像宇宙と水平他界観
――古代散文文学史遡行・『土左日記』から『古事記』『風土記』へ――
1 『土佐日記』の虚構の方位認識・パロディとしての「東上り」
2 「天」と「海」が一体化した虚構の風景
――『土佐日記』の貫之的鏡像宇宙
1 『土佐日記』の虚構の方位認識・パロディとしての「東上り」
2 「天」と「海」が一体化した虚構の風景
――『土佐日記』の貫之的鏡像宇宙
3 綿津見神之宮の水平性
――『古事記』の水平他界観
4 「天」と「海」の習合した宇宙と東方信仰
――『風土記』の浦嶋子伝承
5 雨=天(A-ME)と海人=天(A-MA)
――仮名という表記の喚起する力
――『古事記』の水平他界観
4 「天」と「海」の習合した宇宙と東方信仰
――『風土記』の浦嶋子伝承
5 雨=天(A-ME)と海人=天(A-MA)
――仮名という表記の喚起する力
第7章 漢詩文発想の和文『土左日記』
――初期散文文学における言説生成の方法――
――初期散文文学における言説生成の方法――
1 和文の型、規範としての異言語
――漢詩文の力と発送
2 貫之の嗜好としての双数発想
――和歌における場合
3 「対」の発想による場面生成の方法
――七日の出来事
4 「対」の発想による日次の記事生成の方法
――室津滞留の場合
第8章 『土左日記』の言説分析
――「和歌」と「地の文」の曖昧な関係性を焦点に――
1 『土佐日記』の言説とその区分の可能性
2 虚構の書き手(→語り手)の設定と「省略の草子地」
3 詠歌の表記と「枡形本」という媒体の連関
4 『土佐日記』における詠歌の表記と例外事項
――「移り詞」の例①
5 「船君」の独白という一人称叙述=「自由直接言説」
――「ゴチック体」表記の提案
6 在原業平の故事引用
――「自由間接言説」と「移り詞」の例②
――漢詩文の力と発送
2 貫之の嗜好としての双数発想
――和歌における場合
3 「対」の発想による場面生成の方法
――七日の出来事
4 「対」の発想による日次の記事生成の方法
――室津滞留の場合
第8章 『土左日記』の言説分析
――「和歌」と「地の文」の曖昧な関係性を焦点に――
1 『土佐日記』の言説とその区分の可能性
2 虚構の書き手(→語り手)の設定と「省略の草子地」
3 詠歌の表記と「枡形本」という媒体の連関
4 『土佐日記』における詠歌の表記と例外事項
――「移り詞」の例①
5 「船君」の独白という一人称叙述=「自由直接言説」
――「ゴチック体」表記の提案
6 在原業平の故事引用
――「自由間接言説」と「移り詞」の例②
第9章 「日常」のことばから「和歌」のことばへ
――和歌生成論、もしくは『土左日記』の思想と言説――
――和歌生成論、もしくは『土左日記』の思想と言説――
はじめに
1 「昔の子の母の詠」
――「和歌」の表記方法の唯一の例外
2 階層に対するまなざし
――差別の意識と関心と
3 「楫取の心は、神の御心なりけり」
――楫取は、神の御言持ち
4 旅=「聖なる時空」:祝祭的時空
――価値転倒の論理あるいは貫之的「民衆文化」の風景
1 「昔の子の母の詠」
――「和歌」の表記方法の唯一の例外
2 階層に対するまなざし
――差別の意識と関心と
3 「楫取の心は、神の御心なりけり」
――楫取は、神の御言持ち
4 旅=「聖なる時空」:祝祭的時空
――価値転倒の論理あるいは貫之的「民衆文化」の風景
第10章 散文の「学」を拓く、『土左日記』研究
はじめに
――文学的ではない「散文」
1 『土佐日記」は〇〇の為の書か、秘匿すべき散文の著書か
2 韻文(和歌)の方法と散文(日記・物語)の方法
――同一性の論理と差異性の論理
3 散文の方法「あの人」の差異性
はじめに
――文学的ではない「散文」
1 『土佐日記」は〇〇の為の書か、秘匿すべき散文の著書か
2 韻文(和歌)の方法と散文(日記・物語)の方法
――同一性の論理と差異性の論理
3 散文の方法「あの人」の差異性
――貫之の「分身」は、分裂の表象
初出一覧 (表題は、初出時のもの)
あとがき
英文・和文内容要約(summary)
虚構論的に読むための索引
初出一覧 (表題は、初出時のもの)
あとがき
英文・和文内容要約(summary)
虚構論的に読むための索引